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【グロ】レオシリーズ 虫姦 苗床・脳姦される王様 by森谷2011-04-04(Mon)

レオ虫姦2

1枚目の絵に、もけ氏がSSを書いてくれたので、2枚目と3枚目が出来上がった。……と思う。

※挿絵3枚です。「挿絵表示」をクリックしてください。 
※グロテスクな表現を含みます(幼虫・皮下侵食・脳姦・流血)。ご注意ください。

written by もけ


 日はどっぷりと沈み、月明かりも届かぬ森の中は暗闇に包まれている。レオはその闇の中、木の幹に背中を預けて座り込み、しばしの休息をとっていた。
 この森に入ってから既に数日が経っている。
 そこは、亜熱帯のような蒸し暑さに包まれ、獣の如き大きさを持ちグロテスクな外見をした蟲たちが潜む森であった。世界を包む悪しき異変の一環であろうか、まるで異世界にでも来たように、彼の知る森とは違った景色ばかりが目に映る。
「くぅ……」
 レオは苦々しげに声を漏らした。一刻も早く呪いの元凶を打ち破るための旅だと言うのに、この森の中で何日時間を費やしたか分からない。また、全身を包むじっとりとした暑さも、酷く不快であった。
 体中から汗が噴き出し、獅子の顔を覆う毛皮も僅かに湿っている。タテガミが暑苦しくて、今すぐ自らの剣で剃り上げてしまいたくなってしまう。腰布もそうだ。汗で湿り、股間が蒸れて仕方が無い。
 襲い掛かる異形の蟲を切り伏せる事は出来ても、環境による不快感はどうしようもなかった。レオは剣と盾を傍に置き、しばらくの間そうして休息を取っていたが、やがて我慢できなくなったらしい。
 もぞもぞと腰を浮かして、腰布に手をかける。ベルトから布を外し、するすると脱ぐ。ブーツの方も同様に脱ぎ捨てた。
「む……」
 レオは僅かに顔を顰め、眉間とマズルに皺を寄せる。蒸れた股間や足から発せられる臭いは、当然であるが良い香りとは言えないものであった。
 旅の中、自らの体臭が気に掛かる場面は多いが、四六時中絶えず噴き出す汗に悩まされるこの森では、それもなおさらである。雨でも降ってくれれば良いのだが、木々の間に覗く空は、半分に割れた月を覗かせたままである。今は晴れているらしい。
 レオは小さく溜息を吐くと、股を開き、露わになったペニスと玉袋を外気に晒す。性器を撫でてゆく湿った風は、決して涼しくなどなかったが、湿った腰布に包まれて蒸れているよりも、幾らかは快適であった。
 これでようやく休息をとった気になれる。木の幹に身を預け、覚醒とも睡眠ともつかぬ状態を維持して体を休める。いつ襲われるかも分からないのだから、完全に眠ってしまう事は出来なかった。
 慎重に、頭の半分を眠らせながら、獣の感性を研ぎ澄ます。それは皮肉にも、呪いを受け半獣の体になったからこそ出来る技であった。
 その状態のまま時間が過ぎ、空が僅かに明るみを取り戻してきた頃、レオは不意に瞼を開き、傍らに置いた剣を握ると、すぐさまそれを構える。
 茂みを揺らし、地面に落ちた枯葉を踏みしめて、何かが動く音が聞こえた。近い。
 獅子の頭から生えた丸い耳がピクピクと動き、その音へと意識を傾ける。
「奴か……ッ」
 聞き覚えのある足音に、レオは剣を構えながら呟いた。地面に置いたままの腰布と盾をちらりと見るが、それを身に着けている余裕はなさそうである。
 足音は、真っ直ぐ彼の方を目指していた。全身から噴き出す汗で濃くなった体臭は、時折り肉食の蟲を呼び寄せた。今近づいている足音も、そのうちの一つである。
――ガサッ
 目の前の茂みが揺れた。1メートルを越える体長を持った甲虫が、真っ直ぐ彼へと突き進んでくる。蟲らしからぬ巨体を持ちながら、かさかさと素早く動いた。黒光りする甲殻を揺らし、肉食の蟲らしい強靭な顎をカチカチと鳴らしている。
 この森に入ってから、何度か出くわしている蟲であった。硬い甲殻を持つが、甲殻の継ぎ目を狙えば意外なほどあっさりと両断する事が出来る。
「仕方あるまい……!」
 レオは盾と腰布を捨て置くと、自分へと向けて飛び掛ってくる虫へと剣を向けた。素早く動き、隙あらば肉を噛み千切ろうと、強靭な顎を向けてくる甲虫を、剣の一振りで鋭く薙ぎ払う。
 刃が甲殻に受け止められる硬い音が響く。甲虫は数メートルも弾き飛ばされるが、その甲殻には薄く傷がついた程度である。やはり継ぎ目を狙わねば切り裂く事は出来ないようだと、レオが苦々しげな表情を浮かべた。
 体勢を立て直した甲虫は、間を置かないまま再びレオへと突進する。今度は慎重に狙いを定め、甲虫の突進を紙一重に避けながら頭と体の甲殻の継ぎ目へと剣を振り下ろす。
 ずん、と先ほどとは違っ手応えを感じ、甲虫の頭が宙を舞い、体の方は痙攣を繰り返しながらひっくり返り、やがては動きを止めた。レオは安心した様子で小さく息を吐く。だが、気を取り直して盾や衣服を身に着ける時間は無かった。
 彼の聴覚は、また新しい足音が近づくのを感じ取っていた。今倒したものと同じ甲虫である。ここもそろそろ危ないようだ。充分に体を休める事は出来たのだし、そろそろ潮時だろう。
 次の甲虫を倒したら、体液の臭いに惹かれて他の蟲が集まらぬうちに逃げなくてはならない。レオは足音へと向けて剣を構えながら、そう考えた。本当に苦労の絶えない森だ。
「来る……ッ」
 木々の間を掻き分けて進む甲虫を見つけ、レオは呟く。先ほどのものよりも二回りほど大きかった。力も強そうではあるが、さっきの甲虫と同じように自分へと突進してくる姿を見て、レオはホッとしたような仕草を見せた。
 体は大きくとも行動が単純で読みやすい。これならば、一度に数匹が来たとしても倒す事は出来そうだ。目前へと迫った甲虫を、やはりレオは軽々と避けてみせる。
「はぁっ!!」
 通り過ぎてゆく甲虫の足を狙い剣を振るうと、節ばった蟲の脚が数本千切れ飛び、足を失った甲虫は動きを止め、地面の上でもがいていた。レオは動きを止めた甲虫へと歩み寄り、最初のものと同様に、その頭を刎ねる。
 甲虫はしばらく痙攣を続けたあと、残った脚を丸めて動きを止めた。他の足音も聞こえない。ひとまずはこれで大丈夫な筈だろう。
 いつまでも裸同然の姿でいるのもどうかと考え、木の根元に置いたままの腰布とブーツを取りに足を踏み出す。だが――
「なっ……?」
 膝の力が抜け、レオはその場に尻餅をついた。地面に転がる枝の破片が、尻をチクチクと刺激する。
 この暑さの中、連日に亘って歩き続けていた疲れが今さらになって出てきたのかと、レオは少し焦ったような表情を作った。だとすれば、さっきのような甲虫がまた襲ってきたとして、上手く退ける事が出来る保障も無い。
 そう考えると、蒸し暑い森の中にいるはずが、背筋にひやりとした寒気を感じずにはいられなかった。しかし、状況は彼が予想したものよりも、さらに悪かったらしい。
 レオは地面に剣を突き刺し、杖のようにして体を支えながら起き上がろうとするが、足が小さく震え、上手く力を入れることが出来ない。レオの表情には、より一層の焦燥感が表れていた。
 これほどの症状を疲れの一言で片付けることは、流石に出来ない。いったい何があったのかと、レオはきょろきょろと視線を動かすと、自らの足首にへばりついた何かが、うねうねと蠢いているのを見つけた。
「これは……?」
 紺色をした大きなナマコのような生き物である。大きさもそれぐらいであろうか。レオの足首にぴたりと吸い付いたまま、その体を小さく動かしている。レオはその小蟲へと手を伸ばし、自分の足から引き剥がそうとするが、強く吸い付いているらしく、中々剥がれない。
 それでも強く引っ張り続けると、やがて幼虫の体が、ブチッと音を立てて千切れ、その体から赤い鮮血が噴き出す。
 血を吸われていた。それも相当の量だ。これだけ血を吸った蟲が足首にぶら下がっていたのに、それに気が付かなかったという事実も、レオを焦らせた。
 こういった類の、生物の血を吸う蟲は、吸血の前に自らの体液を流し込み、相手の感覚を麻痺させるという。脚から力が抜け立っていられなくなったのも、この蟲の毒によってであろうと、レオは考えた。
 だが、それにしても強力すぎる作用だと、彼は忌々しげに牙を剥く。
 体感覚どころか、体を動かす事にまで支障が出ている。これではすぐに気付かれてしまうではないか。現にレオは足首に吸い付いていた蟲を握りつぶした。
 では、なぜこうして動きを封じたのか。……獲物を逃がさないために決まっている。レオは、険しい表情で剣を手に取り、周囲を眺めた。さっき潰したのと同じ蟲が数匹、地面を這っている。それを目で辿ると、レオが首を刎ねた、あの甲虫の亡骸が見えた。
 どうやら宿主の命が尽きた事で、より新鮮な獲物を求めて表に這い出てきたらしい。
 襲い掛かる巨大な甲虫たちよりも、小さな蟲を相手に脅威を感じる事になるとは、思ってもみなかった。レオは、足元ににじり寄る蟲へと、睨みつけ、剣を持ち上げようとする。
 だが、すでに上半身の方にまで痺れが回ったのか、剣が酷く重たく感じられ、持ち上げる事が出来なくなっていた。レオは、焦りを隠すことが出来ずに唸り声を出す。マズルと眉間に皺をよせ、獣が威嚇するような咆哮を上げた。
 だが、知能すら持たぬ蟲が、それで竦むはずもない。紺色の蟲が足へと這い上がってくるのを、レオは何の抵抗も出来ずに眺めるしかなかった。
 今度は右の脛辺りで、蟲がレオの肌に吸い付いた。粘液にぬめった蟲が脚を這う感触も、皮膚を突き破られる痛みも無かったが、そうやって血が吸われていくのを何も出来ずに見ているのが、堪らなく不快であった。
「くっ……!」
 忌々しげな表情を作りながらも、レオは震える腕を蟲へと向けて伸ばす。剣を振ることも出来ないのなら、せめて先ほどのように引き千切ってでも蟲を取り払わなければ。
 数匹の蟲が、彼の体へと向けて今も地面を這い進んでいる。これ以上体に吸い付かれれば、それこそ身動きすら取れなくなる可能性もあった。一匹に噛まれただけで、全身の力が抜けてまともに動けなくなってしまうのだ。
 脱力しそうになる体へと必死に力を込め、足に吸い付く蟲を引き剥がそうと手を伸ばす。だが、やはりその動作は緩慢だった。彼がもう少しで蟲を掴めそうなほどに手を伸ばしたとき、地面を這っていた虫たちは、すでに彼の両脚へとよじ登っていた。
 腰布もブーツも身につけぬ今、体を守る物は腰のベルト程度である。うねうねと嫌悪感を抱かせる動きで、蟲は彼の太股へと這い上がり、ついには股間をも目指そうとしている。
 その表面からは、まるで薄めた精液のような粘液が滲み出し、這った跡を濡らしていた。蟲たちは、筋肉で張り詰めたレオの太股や脚に辿り着くと、その口を大きく開ける。
 地面を這っているときは、まるでナマコのような形状であるが、血を吸うために吸盤のような口を開くと、その内側にぶつぶつと肉色の隆起が見て取れた。数匹もの蟲たちは、一斉にレオの脚へと吸い付こうとする。寸前のところで、そのうちの一匹を右手で掴み取ることは出来たが、残りの蟲はどうにも出来なかった。
 右手に掴んだ蟲は、その体を握り締められながら、「キィキィ」と奇妙な声を上げ、そして他の蟲たちは、一斉にレオの脚へピタリと張り付く。

挿絵表示

「がっ、はぁ……ッ!?」
 血を吸い上げられる直前、さらに蟲の体液を注入され、レオが小さく震えて体を強張らせた。重ねて体液を流し込まれ、体に現れる効果が変化しているらしい。感覚を失い何も感じぬようになっていた足に、むずむずとした刺激が走る。
 皮膚の上を指先でなぞられるようなむず痒い感触に、レオは小さく背筋を震わせた。だが、流し込まれた体液が体中へと行き渡るほど、その些細な刺激が、より強くなってゆく。痛みだけを遮断しながら、体感覚が際限なく敏感になってゆくようであった。
「いっ、ぎぃ、あぁあっ……!?」
 蟲が両足に吸い付いて血液を吸い上げる感触が、性感帯を指先で撫でられるような、甘い感触へと変化してゆく。ついには、湿った空気が胸を撫でる感触に、体が反応してしまう。震える体を支えることができず、彼は仰向けに倒れた。
 地面に落ちている枯葉や木の枝が背や尻を刺激して、レオは体を弓なりにしならせながら、再び悲鳴をあげる。体中が、これ以上無いほどに敏感な性感帯となっている。ちょっとした刺激が、耐えることのできぬ快感となって頭を焦がした。
 気付けば、股間の男性器はこれ以上無いほどに勃起し、先走りを吹き出している。異形の蟲に血を吸われながら、そうして体が反応を示してしまうのが、よほど屈辱だったのか、レオはその表情をより引き攣らせ、マズルに険しく皺を寄せた。
 思考さえもできなくなるほどの刺激に悶えながら、レオはそれでもなんとか耐え続ける。屈辱に顔を歪ませながら、なんとかこの責め苦から抜けだそうと、緩慢な動きでもがく。だが、体は脱力したかと思えば、逆に快感の刺激に強張っての繰り返しであった。麻痺した体はレオの意志で動かすことも出来ず、体を襲う刺激に反応するばかりだ。まるで蟲たちのマリオネットになったかのような、堪らなく情けない気分にさせられる。
 だが、レオを襲う蟲は、まだそれだけではないらしかった。快感に悶え意識を飛ばしかけながらも、何かが地面に落ちる「ぼとり」と言う音を、敏感な獅子の耳が拾う。レオが目だけをそちらに向けると、そこにあったのはレオによって倒されたもう一匹の甲虫であった。
 頭を刎ねられ、胴体にできた断面から、レオの血を吸っているものと同様の蟲が数匹這い出て、そして地面へと落ちていた。汗の匂いに釣られて、蟲たちはゆっくりとレオのもとへと這い寄る。すでに移動することさえできぬレオにとってみれば、それだけでも十分に脅威であるが、それよりも彼に焦燥を与えるものがあった。
「な……っ!?」
 レオが掠れた声を漏らす。その目には、甲虫の腹が萎んでゆく様子が映されていた。そしてそれと同時に、彼の体に群がる蟲たちのよりも遥かに大きな芋虫のようなものが、甲虫の体液を滴らせながら、その死体から這い出る。
 身動きできぬこの状況で、その巨大な芋虫を見れば、命の危険を感じずにはいられなかった。恐怖を隠すことができぬ様子で、レオの表情が引き攣る。多数の小蟲を引き連れながら、親玉のような芋虫の化物が、レオの体へと向けてにじり寄っていた。
 巨大な芋虫は、緩慢な動きでレオへと近づき、付き従うように引き連れられていた数匹の蟲は、先にレオの体へと這い上がった。レオの体から放たれる強烈な雄の臭気に惹かれ、その汗ばんだ体へと吸い付く。
 中でも、レオの股間近くを這い上がっていた蟲は、痛いほどに勃起したペニスから溢れる先走りの匂いに惹きつけられたらしい。その口を開き、レオのペニスを頭からズブズブと飲み込んでゆく。
「ひっ、ふっ、うぁっあぁ……!?」
 レオが体をびくびくと痙攣させた。虫の体内には、無数のぶつぶつとした肉の突起が広がっており、まるで女性器のようにレオのペニスを包み込み、その上で吸い上げる。ただでさえ体の感度を極限まで高められ、過剰な快感にのたうっていたレオは、それこそ生娘のように声をあげるしかできなかった。
 皮膚に吸い付き血を吸い出すような蟲が、ペニスを覆っているのだから、当然恐怖も強かったが、その恐怖を麻痺させるほどに凄まじい快感が、レオの背筋を走っていた。体を襲うちょっとした刺激にさえ耐えられぬというのに、性感帯への直接の刺激は、それこそレオの精神をも砕こうとするかのような強烈な衝撃である。
――びゅるうううっ
「ぎっ、ひぁ……ッ、あぁっ!?」
 レオはその刺激に晒され、これまで感じたことも無いほどの快感を伴ない射精していた。ペニスを包む蟲は、溢れ出る精液を余さず吸い上げようとしているようであったが、蟲たちの体液の効果であろうか、普段では考えられない量の精液が、レオのペニスから溢れ出していた。
 小蟲の大きさでは処理出来ぬ精液がちろちろとその口から溢れでて、レオの玉袋へと伝っていた。それでもペニスは萎えることなく、むしろより硬さを増して、絶えず続く快感に打ち震えている。
 レオはもはや、口から漏れ出る声を抑えることも出来ず、体へと吸い付く蟲たちの刺激に、甲高い嬌声を上げて悶え続ける。目を見開き大口を開けて叫ぶ獅子の面には、恐怖の色も焦燥の色もなく、ただただ途方もない衝撃への驚愕ばかりが読み取れた。
 身を包む強烈な刺激だけで頭がいっぱいになり、周囲の様子を気にする余裕すら、もう残ってはいない。レオの傍にまでやってきた巨大な芋虫が、その口と思しき部分を開き、一本の触手をするすると伸ばすが、それすら見えていないようであった。
 その先端が肛門へと押し当てられたところで、レオは新たな刺激に体を大きく震わせ、異変に気づく。大芋虫の口から伸ばされた触手は、その先端がイソギンチャクのような形状をしており、小さな無数の触手と、小蟲たちのそれに似た口を携えていた。
 先端から無数に生える細い触手が、固く閉じたレオの肛門へと滑り込み、粘液を馴染ませながら、そこを少しずつ緩ませてゆく。
「なっ、にを……!? ひぃっ、ひゃっ、がぁッ!?」
 新たに加えられる刺激に、レオの体がまた震えていた。今まで排泄以外の目的で使ったこともなく、到底開発などされていないのであるが、感度を高められた今の状態では、そこも気持ち良くて堪らないようであった。
 クチュクチュと小さな触手が入り口を解きほぐし、それと同時に、肛門へと押し当てられる力が強くなってゆく。触手から分泌される粘液の量も増えてゆき、やがて、レオの肛門は突然にその侵入を受け入れた。
「がぁっ!!?」
 ずにゅりと触手が侵入すると同時に、レオが上ずった声で叫び、再度の射精を行ってしまう。やはり小蟲には呑みきれぬ量らしく、ペニスを包み込む蟲の口から、再度精液が漏れて玉袋を濡らした。
 だが、挿入されただけでは触手の動きは止まらない。イソギンチャクのそれと似た細かい触手が、レオの腸内を掻き回し、その肉壁に粘液をすり込んでゆく。乾いていた腸内は、触手の粘液によってすっかり濡れそぼり、次のものを受け入れる準備を完了していた。
「……ッ!?」
 異質な感触に、レオが声もなくうめく。腸内へと挿入された触手が不意に膨れ上がったように感じ、また別種の刺激に体が悶える。自分の尻がどうなっているのか見ようとするが、仰向けのまま起き上がることが出来ない。不安ばかりが募るが、それも強烈な快楽によってすぐに消し飛んだ。
 大芋虫は、その口から伸ばす触手によって、レオの腸内へと卵を産み付けていた。無数の卵が触手にその形を浮かび上がらせながら、レオの腸内へと送られてゆく。おおよそレオの理解の範疇を超えた行為である。人を相手に卵を産み付ける巨大な蟲など、彼の頭の中の常識では想像もつかなかったし、そもそも思考を働かせられる状態でもなかった。
 ごぷ、ごぷ、と音を立てながら、卵は次々にレオの腸内へと産み付けられてゆく。敏感になった腸内を卵が通過する感触に、レオはまた射精していた。もはやペニスは、蛇口の壊れた水道管のように、ちょっとした刺激で精液を放っている。肛門へと挿し込まれた触手から分泌される粘液により、レオの体はさらに感度を増しているようであった。
 体中から汗が噴出し、辺りに漂う生臭い蟲たちの匂い以上に、自身の雄の匂いがレオの鼻をついた。もう何回射精したかもわからず、玉袋は精液で濡れている。その匂いは血の香以上に、蟲たちにとっての食欲を誘うものだったのだろうか、左の太ももに吸い付いていた一匹が、不意にレオの皮膚から口を離し、精液に濡れた玉袋へと這ってゆく。
「――ッ! ……ッ!」
 玉袋へと食らいつかれるが、その衝撃に声をあげる余力も、今のレオには残っていないようであった。精液に濡れた玉袋へと小蟲が口をつけ、ペニスと同様に飲み込んでゆく。玉袋をゆっくりと覆ってゆく感触に、レオはひたすら体を痙攣させ、虚ろな目を宙へと向けていた。
 蟲は玉袋を覆うと、そこに詰まった精液を吸い上げるまえに、やはり他と同じように体液を流し込む。玉袋の中の睾丸までもが、蟲の体液に直接晒され、異常な快感がレオの精神を削っていた。開いたままの口からヨダレが零れ落ちるのも、白痴のように間の抜けた喘ぎ声が漏れるのも止めることが出来ない。
 卵は止まることなくレオの腸内へと送られ、腹筋の綺麗に割れた筋肉質な腹は、内側からの膨らみによって、どこか不恰好な肥満体のようになっている。腰に嵌められた鉄のベルトが、膨らんだ腹に食い込んでいた。
 それでも大芋虫は産卵を続けていた。甲虫の体から這い出て来たときよりも、その体は一回り縮んでいるが、まだ大量の卵を体内に抱えているようであった。それをすべてレオの体内へと産み付けるまで、この行為は続く。
 最初は僅かに肥満した程度にしか見えなかった腹は、卵を産み付けられるうちに膨らみ続け、腹筋の割れ目は完全に消え失せ、もはや妊婦としか思えぬ大きさにまで膨らんでいた。鉄のベルトはさらにレオの腰を締め付け、血流が止まり、ベルトの周りが青く腫れ上がっている。
 もはや身動きすら取れず、浅い呼吸を繰り返すのがやっとというほどにレオを消耗させ、ようやく産卵は終わる。大きく膨らんだ腹を抱え、レオは朦朧とした意識のまま荒い息を繰り返していた。
 腹の中を大量の卵で埋め尽くされ、相当量の血を吸われ、もはや死んでもおかしくないと思えてしまうほどの様子であったが、鍛え上げられたレオの体も、鋼の意志も、今だ壊れる気配を見せていない。
 だが、壊れはしなくとも、もはや抵抗の余力は完全に奪われていた。自らの意思では指一本とて動かせぬレオから、大芋虫が触手を引き抜く。拡がりきった肛門から、卵が一つこぼれ落ちた。
 触手はするすると芋虫の体内へと戻ってゆき、最初の半分ほどの大きさになったその体へ収納される。そして、触手の引っ込められた口の中から、今度はさらに別のものが這い出した。粘液を滴らせながら、レオの肛門へと向けて這うそれは、真っ白い蛆虫のような外見を持つ幼虫であった。
 レオの体に吸い付く小蟲たちよりも一回り小さく、先端が細く大きな口もついていない。それはレオの体へとよじ登り、開いた肛門へと次々に潜り込んでゆく。レオの体内のさらに奥へと向かい、その深くで体液を吐き出して絶命する。
 肛門に入りきらなかったものは、レオの体へと這い登り、穴を探してはそこへと潜り込もうとする。へその穴に群がり、さらにはレオの口にまで数匹の大蛆が侵入した。喉の奥へと進みながら、レオの口内で大蛆が弾け、体液を撒き散らす。その匂いには、レオも覚えがあった。
 朦朧とする意識の中で、強烈な生臭さと青臭さが構内に拡がり、恍惚とした刺激に包まれていた彼の体へ、吐き気を催すような嫌悪感を与える。
 彼が知るものより遥かに醜悪で、かつ悪臭を放っていたが、それは精液であった。
 もはや体力も限界に達し、意識を失う間際であったレオは、ようやく自分が生殖の苗床として使われているのではと、うっすら感じた。だが、すべてはもう遅い。レオは体を包む刺激に悶えながら、ついにその意識を途切れさせた。

×××

 レオは、うっすらとまぶたを開けた。仰向けに倒れたまま空を見上げる。木々の間に見える空は、分厚い雨雲に覆われ、激しいスコールがレオの体を打っていた。半開きのまま浅い呼吸を繰り返す口へと、雨水が流れ込んでくる。
 むせ返りそうになるが、レオは舌を小さく動かし、口内へと流れ込んでくる雨水を飲み込んでゆく。相当量の血を吸われた挙句に、この蒸し暑い森の中、気を失った状態で長時間放置された体は、脱水症状に陥っていた。
「あぁ……」
 低く掠れた声で、小さな呻き声を上げた。肺が圧迫されるような気分の悪さを覚え、声が上手く出ない。全身を激しい疲労感が包むと同時に、恍惚とした心地良さも同時に感じる。奇妙な感覚であった。
 自分が何をしていたのか思い出そうとするが、思考にぼんやりとした霞がかかり、上手くいかない。レオはただ、口へと流れ込む雨水を味わい、喉を潤していた。やがて、いくらか回復した体は、強烈な眠気へと襲われ、彼の意識は再び深い眠りへと落ちていった。

×××

 再度意識を取り戻したとき、雲は晴れ、木々の隙間からは日差しが降り注いでいた。だが、レオの意識を覚醒させたのは、照りつける光ではなく強烈な違和感であった。
 体内で何か異質な存在が蠢くような、酷く不安で気持ち悪い感触が、彼の意識を叩き起こす。
「あ――、あ……?」
 思うように声を放つことが出来ず、レオは戸惑うような声色で、小さな声を発した。少々記憶が混乱していたらしく、自分がなぜこうなっているのか、それを思い出すのに時間がかかってしまった。
 彼はしばらくの間、混乱した表情を隠せずにいたが、やがてなんとか動かせるようになった首を上げ、自らの身体の異変をその目で確かめる。大きく膨らんだ腹や、太ももや胸に吸付いたまま、彼の皮膚と一体化している異形の蟲たちを見つめ、獅子の顔が嫌悪に歪んだ。身動きも取れぬまま卵を産み付けられ、快楽に呑まれながら気を失ったあの出来事が、鮮明に思い出される。
「これ……はっ!?」
 レオは焦燥と恐怖に獅子の顔を歪ませながら、震える声を放つ。腹は、気を失う前よりもさらに膨らみ、体内を圧迫されるような異物感に、吐き気がしてたまらない。体と癒着した小蟲は、その毒々しい紺色の体とレオの肌を結合させ、まるで歪な腫瘍のように彼の体と地続きになっていた。
 震える手をそれに伸ばし、引きちぎろうと掴むが、やはり思うように力が入らず、まるで女性の乳房を掴んで愛撫するかのように、軽く揉むような事しか出来ない。
 体は重たく、まるで動かすことは出来ない。ある程度弱まってはいるが、それでも小蟲に注がれた毒の効果は続いているようだ。というよりも、レオの体と癒着した小蟲たちが、彼の体へと体液を循環させているらしかった。
 手足を動かそうとすると、僅かばかりぴくぴくと指先が反応してみせるが、腕を持ち上げるにも相当の時間と忍耐を要する有様であった。こんな状態では、体と一体化した蟲を引き剥がすことも出来ない。
 意識を覚醒させたものの、自らの身体の異変に対して打つ手もなく、レオはただ、その表情に焦燥を募らせることしかできなかった。時間ばかりが無為に流れ、やがて再度あの胎動が体を襲う。
「――あ?」
 腹の中でまた何かが蠢いた。レオは間の抜けた声を上げ、その奇妙な感覚に体を震わせる。まるで妊婦を襲う陣痛のように、断続的にその感触を覚え、レオはより不安を強めていった。
 卵を産み付けられたあの時から、一体どれだけの時間がかかったか、彼にもまるで検討がつかなかった。いくらか細くなった腕や、雨風に晒されて薄汚れた自身の体を見ると、そう短い時間でないことだけは分かった。
 こういったとき、人とは最も最悪の事態を想定してしまうものである。レオもその例には漏れなかった。体内へ産み付けられた卵が、一斉に孵化しようとしているのではと推測し、冷たい汗が背中に流れる。
 あんな怪物のような芋虫の卵が体内で孵化すればどうなるか、想像したくも無い事態である。レオはさらに焦りを強めた様子で、なんとかこの状況を打破する方法はないかと、思考を巡らせる。
 しかし、いかに類まれな精神力を持つ彼とて、この状況で冷静な思考などできない。名案など浮かんでくるはずもなく、やはり時間ばかりが過ぎてゆく。腹の中から響く胎動が、まるで秒針のように時を刻んでいた。
 やがて彼が導き出した答えは、結局入れられた穴から出すしかないというものであった。そもそも、これほどまでに膨らんだ腹の内容物を全て排泄できるはずもなかったが、焦燥と疲労で霞のかかった頭では、その程度の結論しか導き出すことはできなかった。
「ふっ……ッ、ん……ッ」
 仰向けのまま、レオは獅子の顔を強ばらせ尻に力を込める。蟲たちの体液でろくに力も入らぬ体では、それすらも難しかったが、まるで便秘に苦しむ男が必死でそうするように、滑稽な姿を晒していた。
 だが、彼がどんなに力を込め、腹の中の卵を排泄しようとしても、肛門を卵が通過する感触も、肛門が開く感触さえない。
「――ハァッ、はぁ……ッ」
 強張った体に血管が浮かぶほどに、レオは力を込めてみせるが、その効果は何もない。ついにはそれも限界に達し、レオは大きく息を吐いた。何かがおかしいと、彼の頭も違和感を感じていた。
 緩慢な動作で腰を浮かせながら、彼はそろりそろりと、右手を自らの尻へと伸ばす。指でこじ開けることができれば、なんとか卵を排泄できるかもしれないと言う望みもあったが、肛門の違和感の正体を確かめるという意味の方が強かった。
 右手はゆっくりと彼自身の臀部へと伸ばされ、尻の割れ目に指先を潜り込ませ、肛門のあたりを人差し指で撫でる。
「なっ……」
 指先の感触に、レオは目を見開いて驚愕を露にする。どんなに手を動かしても、彼の指先は肛門を確認することができなかった。代わりに感じたのは、肛門を覆い隠すような肉の隆起だけである。
 彼の体と癒着し張り付いている蟲たちと同じように、彼の肛門は肉同士が癒着して歪な形状に盛り上がり、二度と開くことはなくなっていた。
 これで、肛門から卵を排泄しようと言う望みは断たれた。他にはなんの考えも思い至っていなかった彼は、完全に追い詰められた様子で、全身から冷や汗を噴出し、その瞳には、これまでどんな目に遭おうと見えることのなかった、絶望の感情が垣間見えた。
 ――だが、彼がどんな手を考えついていようが、全てはもう手遅れのようである。レオの膨らんだ腹が、傍目からも分かるほどに、大きく震えた。
「ぐっ、あぁ……!?」
 その不快感に、レオは掠れた声を上げ身震いをした。まるで示し合わせたかのように、腹の中で何かが一斉に動き出していた。痛みを感じることはないが、肉が引き伸ばされ今にも千切れそうになる生々しい感触が腹の中から伝わってくる。それが限界へと近づいていることが、彼にも分かった。
 膨らんだ腹が、断続的に震えていた。そして、ついに彼の腹の中で、何かが弾ける。
「がぁっ!?」
 奇妙な感覚に、レオは体をびくびくと痙攣させながら、上ずった悲鳴をあげる。どろりと、腹の中で何かが拡散してゆき、おぞましい寒気を感じながら、レオは自らの腹へと目を向ける。
 へその辺りを内側から押されるような、慣れない感触を覚え、そこを凝視していると、蠢く何かが、彼のへそから頭を出す。細長い蛭のような外見の幼虫であった。それがニュルニュルとレオのへそから這い出している。

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 自分の腹の中で育っていた卵の正体を知り、レオはその顔に浮かぶ焦燥を、より一層強めた。あれだけ大量に卵を産み付けられたあとだ。どれだけの数の幼虫が彼の体内で孵化したのか、想像することもできない。
 そして、次なる異変が彼へと訪れる。幼虫はへそを通じてレオの体外に這い出すばかりではない。彼の頭を目指して、その体を這い登っていた。皮下を這い頭を目指す幼虫たちの姿が、レオの腹や胸に浮き上がっている。
 痛みを感じない今の状態では、皮下で幼虫が蠢こうと、こそばゆい感触を受けるだけであるが、それは痛みに邪魔されることもなく、幼虫たちが自分の頭を目指して這い登る様子を感じなければならないということである。
「ぐっ、がぁあっ……!」
 ぎこちない動きで自らの首や胸に手を伸ばし、体を這い登る幼虫たちを、皮膚の上から掻き毟ろうとするのだが、やはり頭からの命令が上手く体へ伝わらない。指先に力が入らず、表面をカリカリと爪で引っ掻くが、出血すらもなかった。
 彼が虚しい抵抗を続ける内に、幼虫たちは胸を通り過ぎ、ついにレオの首まで辿り着いていた。そこからは人の皮膚よりも強靭な毛皮に包まれ、今の彼ではひっかき傷すらつけることができない。
「や、やめ……ろ……ッ」
 何を事欠いたか、レオは知性すらも無い蟲たちに対して、そうして制止の声を放っていた。いよいよ極限まで追い詰められ、その表情を恐怖と絶望ばかりが覆い尽くしていた。当然であるが、彼の叫びが幼虫たちの動きに何かの影響を及ぼす事は無かった。
 今や、その獅子の顔にも皮下で幼虫が蠢き、耳や眼孔、そして口からニュルニュルと這い出していた。そうして体外に排出される幼虫がいる一方で、頭まで辿り着いたものの多くは、無防備なレオの脳を目指していた。
 生物の体へと指令を与え操っている部位がどこか、幼虫たちの本能に刻まれているようだ。それらは迷うことなくレオの脳髄の奥深くへと潜り込んでゆく。

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「ぎぃっ、ひがぁっ!? ひゃぁっ、ひぃぁあっ!?」
 脳の中までもを幼虫たちに這いずり回られ、レオはその身を激しく痙攣させながら、とぎれとぎれの悲鳴を上げていた。まるで力など入らなかったはずの体は、脳内を掻き回されながら激しくのたうち、振り回される手は、地面に叩きつけられる。
 だが、レオには力強く動く自分の体に気づく余裕すらも無い。脳への直接的な刺激に、何も考えることができず、吐き気を伴う途方もない衝撃に、ひたすら悲鳴を上げ続けるばかりである。
 壊れたように何度も奇声を発しながら、のたうつように体を暴れさせる。それが一体どれだけの時間続いたのか、脳への刺激が収まった頃、レオはタテガミまでべっとりと濡らすほどの汗に塗れ、うつ伏せに横たわっていた。
 膨らんだ腹もいくらか萎み、今も膨らんでいるのは確かであるが、臨月の妊婦という程ではない。
 彼は疲弊しきった表情で地面に伏し、その口からは涎と一緒に無数の幼虫を吐き出していた。地面には彼の吐き出した虫たちが、うねうねと動いている。レオは無言のまま、その幼虫を見つめた。
 不思議なことに、気が付けばその幼虫への嫌悪感がまるでなくなっていた。自らの身体を蝕もうとする蟲に対し、恐怖と嫌悪を感じていたはずが、今や悪感情など微塵も感じない。
 レオは認識の変化を不思議がるような表情を浮かべていたが、やがて不意にその体を起こす。いつの間にか体が動くようになっていた。疲労による動きの鈍りはあるが、それでも不自由するほどではない。
 自由に動かせるようになった腕を、彼は迷うことなく地面で蠢く幼虫へと伸ばした。彼が吐き出したそれを、土ごとすくい取ると、迷うことなく口へと運ぶ。牙で潰してしまわぬように気をつけながら、なんの躊躇すらもなく飲み込んでいた。口内には勝手に唾液が溢れ、幼虫たちは苦もなくレオの喉へと流れ込んでゆく。
 へそから排出された幼虫も同じように手ですくいながら、レオはようやく自分の行動に対して疑問を抱く。何故自分はわざわざ幼虫をすくい上げて再度体内へと飲み込んでいるのだろうかと首を傾げるが、そんな思考とは別に体は勝手に動き続ける。精神と体が噛み合わぬ違和感に、レオは怪訝な表情を浮かべていた。
 地面に落ちた幼虫を飲み込み終えると、レオはゆっくりと立ち上がり、獣の鼻を鳴らし、森の中に漂う匂いを嗅ぎとる。なぜだか分からないが、酷く懐かしい匂いを感じる。その匂いの源へ向かわねばならぬという、強迫観念とも言えるような想いが頭の中で大きくなっていく。
 何故そんなことを思うのか。流石におかしくはないだろうか。レオは疑問を抱くが、やはり彼の脚は意思と関係なく歩き始めていた。意味も知らず歩き続けるうちに、やがて頭の中をその命令に満たされ、疑問さえも忘れてゆく。
 衣服も盾も、身を守る武器である剣さえも拾うことなく、レオはふらふらと森の中を歩いてゆく。その表情は、まるで何かに陶酔したかのようにぼんやりとして、焦点の合わさらぬ瞳で宙を見上げていた。
 歩きながら、時折その体が何かに抵抗するようにビクンと震える。発作のようにその瞬間が訪れるたび、レオは一瞬だけその目に正気を取り戻すが、すぐにその顔はぼんやりと宙を見上げる、白痴のそれに戻ってしまう。
 脳までもあの幼虫たちに支配された今、レオはその命令に忠実に従うことしかできなかった。
 そして、レオは辿り着く。森の中、地面に埋め込まれるように洞窟の入口があった。その中から、まるで自らの故郷であるかのような、懐かしい匂いがしてくるのだ。洞窟の入り口前には、小蟲たちに襲われる直前に仕留めたのと同じ甲虫が数匹いる。
 武器も持たぬ今、その数を相手に勝てるはずが無い。だが、レオは無防備にそこへと歩いていった。レオの体から発散される強い汗の匂いが甲虫たちへと届いたのか、数匹のそれは一斉にレオの方へと向き直る。
 そして、鳴いた。
 甲高い虫の鳴き声が辺りに響く。そしてそれが合図なのか、両手でも数え切れぬ数の甲虫たちが、巣穴である洞窟からわらわらと這い出してきた。レオの視界に、黒い甲殻と赤い目の巨虫が広がってゆく。
 これほどの数、たとえ剣を携えていても相手にするのは厳しいはずである。だが、レオは脚を止めることは無かった。恐怖すらも感じない。幼虫たちは、レオの脳を刺激して行動を操るだけでなく、すでにその一部を喰らい、彼から生への執着を取り去っていた。
 甲虫たちがレオへと向けて距離を詰める。彼らは、レオを餌として認識したようであった。こうなれば、もはや逃げることすらも不可能であるが、脳髄に蠢く幼虫たちは、最後の仕上げを行った。
「――ひっ……」
 レオは小さく息を漏らすと、脚を震わせてその場に尻餅をついた。そのまま彼は仰向けにひっくり返り、小さな呼吸を何度も漏らしながら、体を痙攣させる。脳の残った部分すら、幼虫たちが喰い荒らしてゆく。
 まるで最後の抵抗をするかのように、レオは体を痙攣させ、首を激しく振って涙と鼻水と涎を撒き散らす。脳を喰い荒らされ、まだ絶命こそしていなかったが、もはやその頭から理性は失われていた。
 そして、そうやって目の前でのたうつ活きの良い餌へと、甲虫たちが群がる。がさがさと音を立てながら走り、レオの体へと喰らいついた。
 まず、その方や脚を強靭な顎で捕まえられる。そのまま体をあちこちから引っ張られていた。頭の中もかなり喰われてしまったようで、レオは呆けた表情のまま、ミチミチと組織の引き千切れる音を発する、自分の腹を見た。
 見れば、膨らんだ腹にベルトが食い込み、そこはもう壊死しかけていた。ただでさえ腐りかけた部位へと力をかけられ、レオの体は腹に食い込むベルトを境に、二つに引き裂かれる。
「あ……」
 下半身が自分から遠ざかって行くのを見つめながら、レオは間の抜けた声を漏らす。もはや自我を保っているかも怪しい様子であった。
 引き裂かれた上半身と下半身の間には、小腸やその他の臓器が溢れ出る。そしてそれと同時に、大量の幼虫たちがどろりとレオの腹から流れ落ちた。臓器はその中身までをも幼虫たちに埋め尽くされている。
 腕や脚を噛み切っても、そこからは幼虫が零れ落ちた。すでにレオの全身へと幼虫が行き渡っているらしく、甲虫たちは獲物の肉ごと、その幼虫を飲み込んでゆく。
 二つに別れた体は、さらに甲虫たちの顎でバラバラに裁断されてゆく。腹の中に顔を突っ込んで内臓を引きずり出され、頭蓋を噛み砕かれながら、レオはついにその命を散らしていた。
 引き千切られたそれぞれの肉片へと、甲虫たちは我先にと群がり、その肉体を食い尽くしてゆく。
 破片となった肉体から溢れる鮮血の匂いすらも、甲虫たちの放つ生臭い臭気に掻き消されていた。どれだけの時間、甲虫たちがレオの肉を貪っていたが、やがてその数は減り、次々に巣穴へと帰ってゆく。
 あとには、肉片すらほとんど残らぬ、白い骨ばかりが散乱していた。
 その中で唯一頭部だけは、食い漁る部分が少なかったからか、砕けた頭蓋から脳髄を喰い荒らされ、下顎を引き千切られた程度の状態で、地面の上に転がっていた。
 その表面には、甲虫たちの体内へと寄生し損ねた幼虫たちが這いずり、光を失った瞳には、代わり映えのしない映っている。だが、その肉片も眼球も、やがては腐り、土の一部として朽ちていった。
 世界の異変へと立ち向かうための旅は、終わってしまったのだ。



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